Marvel Adventures The Avengers (2006-2009) #35
あらすじ
ホークアイがデートサイトにアベンジャーズ全員の個人情報を載せてしまった。次々と押し寄せる女性たちに、アベンジャーズ男性陣は今までになく苦戦を強いられる。
バチュラータイム
ある日のアベンジャーズマンション。
ジャイアントガール、ストーム、ティグラの女性陣はジェットに荷物を詰め込んでいる。彼女たちは女性だけのヴァケーションを楽しむため、しばらくマンションを留守にする予定だ。
一方のお留守番を任命された男性陣、キャプテンアメリカ、ウルヴァリン、ホークアイ、ルーク、スパイダーマンは冷静さを保つふりをしながらもどこかそわそわ。
ストームはスパイダーマンに尋ねる。
「私たちがいなくなったら、あなたたちは何をするの?」
「ヒーローのお仕事さ」
「はあ?」
「超ド級に素晴らしいヒーローのお仕事!」
「…はぐらかしてるわけね」
こんな状態に一抹の不安もあるものの、女性陣は男性陣を置いて出発。
ジェットが見えなくなるまで大人しく見送る男性陣。
そしてジェットが彼方に消え去ると…
「いえーーーーーい!!!!!」
「バチュラータイムだ!!!」
「洗濯も髭剃りもなしなし!」
「紙皿出そう!!!!!!」
男の子のお楽しみ
「ヘイパス!ヘイパス!こっち開いてるよ!」
早速室内でラグビーを始めるボーイズたち。床には食べかけのピザが散乱している有り様だ。
ドタバタと騒ぎまくるヒーローたち。しかしそこにアベンジャーズの良心ともいえるキャプテンアメリカが立ちふさがる。
「私はこんな悪ふざけは容認できないぞ」
「え?だってキャップもさっき…」
腕組みをして仁王立ちのキャプテンにスパイダーマンは思わず怯んだ。
次の瞬間
「まだまだ青いな!」
キャプテンアメリカの強烈なタックルがスパイダーマンに炸裂。結局キャプテンも男の子の一人なのだ。
すったもんだの末、ゲームはウルヴァリンのタッチダウンで終了。荒れ果てた部屋を眺め、思わずルークが呟く。
「ここにオロロがいたらとてつもなく怒るだろうな」
「でもいないだろ。力抜けよ」
自分で女性陣がいないことに言及したホークアイだったが、その途端あることを思い出す。
明日はアーチャーアワードというセレモニーがあり、随伴してくれるようティグラに頼んでいたのだ。しかしティグラは旅行に行ってしまった。
ホークアイは別の女性を探さなければならない。
「ま、それは明日何とかしようぜ!今は楽しもう!」
と、ルークが蹴り上げたボールは綺麗な弧を描き…ガラスを破壊。
「言い訳案!どうぞ!」
「ドクタードゥームの襲撃」
「地震」
「宇宙人襲来かハルクを怒らせた」
「も~!真面目に考えてよ!ハルクのせいになんていっつもしてるじゃん!」
デートサイト
それからしばらくして、一人ホークアイはパソコンの前にいた。明日の女性をデートサイトで探すことを思いついたのだ。
「個人情報?身長?えーと6.3だろ…ん?インチってどのキーよ…」
面倒な打ち込み作業に早速飽き始めるホークアイ。そこであることを思いつく。
「アベンジャーズにもそういや個人情報登録してるや。その情報をアップロードすればいっか。時間節約になるぞ!俺って天才だな~」
そうして簡単にすべての情報を埋めたのホークアイだったが…
「…待って。なんかアヴェンジャーズ全員の情報アップロードしちゃった?
やっば…」
デート日和
次の日
「スパイダーマン、お客さんだ」
突然アベンジャーズマンションを訪れてきた一人の女性。彼女はスパイダーマンを見るや、興奮した口調で話し始める。
「こんにちは私シンディあなたがデートサイトに名前を登録したの見た時ほんと嘘みたいって思ったのなんたって私ってあなたの大ファンだからねえよかったらモールかどこかにいかない?友達がそこにいるはずだから行きたいの彼女私があなたといるの見たら絶対嫉妬するわそうそうそれから」
「わお!わお!わお!!」
いつものスパイダーマンのような早口でしゃべり続ける女性に、さすがの本家スパイダーマンも混乱。その二人をじっと見つめるキャプテンアメリカ。
そうこうするうちに今度は別の女性が現れ、ルークに駆け寄る。
「わあ!ルーク・ケイジ!本当にいたわ!あのサイト、嘘じゃなかったのね!ドアコードも本物!ねえどんな映画が好き?」
「ドアコード?映画?一体どうなってるんだ」
そしてまたも別の女性が…という風に女性の訪問が途切れることがない。
事態を見守っていたキャプテンは、やがて、ぽんっとホークアイの肩に手を置いた。
「ホークアイ」
「ふえ!?ぼく!?なんでぼく!?」
「なぜなら私はキャプテンアメリカだ。やましいことがある人を見抜けるんだよ。ちょっと告白タイムを取ろうか」
「いいわ!あれは私が10歳の時…」
「いや、シンディ、きみとじゃなく。ホークアイだ」
キャプテンに問い詰められ、遂にホークアイはすべてを話した。
昨夜デートサイトに自分の情報を登録しようとして、アベンジャーズ全員の情報をアップしてしまったことを。
消そうと努力したがオンライン上では不可能だったため、デートサイトの運営本社に行かなければならないことを。
デートサイトのオーナーの正体
早速アヴェンジャーズはデートサイトの本社前に来ていた。
「話は私にさせてくれ」
「いいわ!強い男って好きよ!」
「君に言ったんじゃない」
スパイダーマンに絡みつきながらもキャプテンアメリカにも懸想するシンディ。彼女に調子を崩されながらも、キャプテンは建物の中に入り、受付に声を掛ける。
「すみません」
「何かご用…まあ、キャプテンアメリカ?アベンジャーズの?アベンジャーの?」
「オーナーはどこにいますか?」
「裏にいますよ。ランチパティオの方に…ご案内しますわ」
「ちょっと!手を放しなさいよ!彼は私のよ!」
「違います」
キャプテンファンとみられる受付の女性とシンディに挟まれていつもの調子が出ないキャプテンと、それを見てにやにやするウルヴァリン。
ついに痺れを切らしたスパイダーマンは自分だけでオーナーを探すことにした。
裏に行き、ランチパティオを目指す。
ランチパティオを見つけ、扉を開けて中を覗くと、そこにいたのはバトロック・ザ・リーパーだった。キャプテンアメリカとも因縁の深いヴィランである。
アベンジャーズの情報を握った相手がまさかのヴィラン。
しかし今回に限っては、彼自身がアベンジャーズに悪事を働きかけたわけではない。もとはと言えばホークアイがアベンジャーズの醜状情報を漏洩させたのが原因だ。
バトロックのほうも、キャプテンたちが何をしに来たかは理解していた。しかし黙ってそれに従うような男ではない。
「私のデートサイトの評判を守ってくれたら考えてやろう。君たちの情報はもう登録されて、デートも決まってしまっている。うちの評判を守るためにも、いくつかデートをこなしてくれたらいい」
無茶苦茶な提案ではあるが、今回はアベンジャーズ側に非がある。
どうすることもできず、キャプテンたちは複数の女性たちとデートをすることになったのだった。
果たしてアベンジャーズの情報はデートサイトから消してもらえるのか?
女性陣が帰ってくる前に、解決できるのか?
一話完結で読みやすく、面白い話です。
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