飛び出せ臓物 滴れ鮮血 痛みを読みたい!グロテスクな描写が光る小説5選

記事タイトルが酷すぎる

こんにちは、サトウ@mukashime)です。

私は怖い映画、グロい映画が好きな人間なので、一時期、読む本もそっち方面に突っ走ったことがあります。
最近はそういう衝動も落ち着いてきているので、進んでそういう本を探すこともあんまり(※当社比)ないんですけど、昔読んだのをたまーに引っ張り出したりはしてます。

今回はそういうタイプの本、5冊まとめてます。

そういう本とはどういう本かと言うと

・グロい描写がすごい
・エロい描写もたまにある
・倫理観さよなら
・こんな目には絶対合いたくないと読み終わるまで最低でも5回は思う

そういう本です。
本なので厳密なR指定はありませんが(それもどうなの?)100歩譲っても教育に良いとは言い難い話ばかりなので、苦手な方、思春期の方はここでブラウザバックしてください。
鬼滅の刃で「首が飛ぶから教育に悪い」という層に「本当に教育に悪いグロを見せてやる」というような小説ばっかりです。本当に

目次

殺戮の野獣館 リチャード・レイモン

今世紀初頭に建てられて以来、怪物が棲むと噂され、今日でも凄惨な殺人があとを絶たない「野獣館」。だが、すご腕の男ジャッジメント・ラッカーが、ついに野獣退治に立ちあがった!一方、鬼畜のような夫の追撃をかわし、娘を連れて逃走の旅に出た美貌の女性ダナ。このヒーローとヒロインの運命の出会いが、いままたあらたな殺戮の嵐を呼びおこす!ホラー界の最終兵器リチャード・レイモンが、この1作で斯界を激震させた、幻の傑作。衝撃の結末へ向け、強烈なエロスとバイオレンスが暴走する。

Amazonより

まずはジャブから。
タイトルがもうインディーズホラー映画感があって期待が持てますね。いいぞ。

実際、読むインディーズ映画って感じです。
でもグロ描写自体はこれから出てくる4冊の中でもマイルド。
しかし登場人物に起きる悲劇も「そんなあっさり書くか?」ってくらい文章が淡白なんですが、よくよく想像してみると最低なことが起きてるっていうパターン。
凶暴で醜い野獣が住むという館が出てきて、野獣が人喰って大変なんだな!いいぞ!ってタイトルから想像して読んでくと、野獣登場前に主役の夫が何のためらいもなく殺人をし、少女をレイプし…という鬼畜の所業を始めるので、え?野獣は実は存在しなくて怖いのは人間でした系?とか思うんですがやっぱり野獣が出てきて最後は…という詰め込みセットです。情緒が忙しいぞ。
まともな精神の人間が最終的には一人もいなくなるので、軽い気持ちで倫理観バイバイしたい時におススメ。

オフシーズン ジャック・ケッチャム

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。最初に到着したのは書箱編集者のカーラ。すこし遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。六人全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む“食人族”が六人に襲い掛かったのだ。“食人族”対“都会族”の凄惨な死闘が開始する!

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理不尽な話が読みたいときはとりあえずジャックケッチャム買っとけば大丈夫ってくらいの信頼のジャックケッチャム。そんな彼の処女作。
「オフシーズン」以外の作品は直接的にグロテスクというより、平凡だったり満ち足りて見える人たちの異常な精神を描くパターンが多く見られるんですが、正直、初出版となるこの「オフシーズン」で編集にボロクソに添削修正させられたからこういうの書くの嫌になったんじゃないかなあって勝手に思ってます。
日本の単行本のあとがきにはその嘆きがめちゃくちゃ書かれていて、あとがきを読んでからまた本編を読み直すと違った味わいがあります。
翻訳されているのはアメリカで最初に出版された修正版ではなく、まさしくケッチャムが出したかったバージョンです。
人間の腸で作るソーセージのレシピや、勇気ある人間、美しく将来性のある人間の無惨な死に様など、当時の編集者が全部「残酷すぎるからカットするか変更して」と言わずにおれなかったのもわかるなあっていうシーンが細かく描写されてます。しかし残酷な内容になると分かっている本なのに、そんな注文付けるくらいなら最初から出版しようとするなよ…とも思ったり。
食人族が出てくるともうとにかく残酷描写のオンパレードなんですが、食人族vs都会族!っていうあっけらかんとした煽りの通り、なんとなく読んでても暗い気持ちにはならないんですよね。現実にクソムカつくことがあったからスプラッター映画で息抜きするか!血を見せろ!って感じと似ている。
読後にげっそりした気持ちになるなら、同じくケッチャムが書いた「オンリーチャイルド(息子をレイプした夫との親権争いを描いた作品)」のほうが、この世は無常人間はやはり悪…ってなるのでそういうのが好みの方はそっちの方がおすすめ。

獣儀式 狂鬼降臨 友成 純一

突如あふれるように現れた殺戮“鬼”たち。なんの理由も理解も与えられず、ただ嬲られ殺されるのを待つしかない人間たち。ヒューマニズムなど嘲笑するかのように繰り返される大量虐殺。精密なスプラッター描写で地獄を描ききり、まさに神がかった著者・友成純一の『凌辱の魔界』と並ぶ世紀の傑作。残酷ショートショート12編を収録した完全版。

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エロ‼グロ‼エログロ‼エロ‼ってどのページ開いても酷いシーンしかない一冊。
もうとにかく頭空っぽにして酷いものを読みたいんだぜ!って時におすすめ。
誇張なしでエロとグロしかない
作者が明確にそういう話を書くって決めて書いた作品らしいので、なんかこう、エロやレイプを妙に芸術ぶった作品として描くのに比べたら逆に好印象。
でも本当に、人が八つ裂きにされる程度ならまだマシで、杭で串刺しにしたり、生きたまま溶かしたり、抜いた歯を頭に埋めたりって話ばかり続くので、文章だから大丈夫かも~ってちょっとグロいのが読んでみたいってレベルの人には絶対におすすめしません。
これから紹介する二作くらいで慣れてからにしたほうが良いです。

カンタン刑 式貴士 怪奇小説コレクション

八人を惨殺した残酷非道な殺人鬼が、判決を聞き、恐怖のあまり言葉を失った。死刑よりも遙かに重い刑罰「カンタン刑」とは?(表題作)念じた物を石に変える能力を持つ男が、邪悪な欲望を次々と遂げてゆく…(「おれの人形」)。複数の筆名で多彩な仕事を残した異才による、悪夢のような十二篇と、幻の劇画原作作品(上村一夫画)を収録

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内容には関係ないけど、表紙がめちゃくちゃ好み。「ジョジョの奇妙な冒険」の作者の短編を小説にしたような一冊。これ自体短編集です。
現実にありそうなグロというよりちょっとSFちっくな部分が多いので、今まで紹介した本に比べると何処かふわふわした印象。グロテスクな近未来を綺麗な文章で描いており、普通に読み物として楽しめます。でもなんか当たり前のようにカニバリズムが出てきたり、ゴキブリでうぎゃーな描写もたっぷりなので苦手な人はご注意。

懲戒の部屋 自選ホラー傑作集1 筒井 康隆

いっさい逃げ場なしの悪夢的状況。それでも、どす黒い狂気は次から次へと襲いかかる。痴漢に間違われたサラリーマンが女権保護委員会に監禁され、男として最も恐ろしい「懲戒」を受ける表題作。たった一度の軽口で、名も知らぬ相撲力士の逆鱗に触れた男が邪悪な肉塊から逃げ惑う「走る取的」。膨大な作品群の中から身も凍る怖さの逸品を著者自ら選び抜いた傑作ホラー小説集第一弾!

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大御所、筒井市のホラー短編集。やはりというか当然ながらこの人も文章が綺麗なのでするする読めます。内臓が飛び出すとかのグロテスクさよりも、顔に虫が住み着くとか、気持ち悪い…って一歩引いてしまうような描写が多い印象。まあとにかく文が上手い。なんか読んじゃったけどやばいもん読んだなあって、後で我に返るタイプ。
日常に潜む恐怖、こんな目には遭いたくないという根源的恐怖を描いている話が多いので、スティーブンキングの短編にも似ている。怒りの相撲力士が高速で追いかけてくるのとか。(なんか最近映像化しなかったっけ?)
そういうことなので、キングの作品好きにもおすすめ。

まとめ

どのグロもみんな違ってみんなグロい(たまにエロい)ので、お好きな人はぜひ。

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この記事を書いた人

フィンランドに住みたい研究者かつフリーのWebデザイナーかつコーダー。
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