北関東で5人の幼女を誘拐した男「殺人犯はそこにいる」

こんにちは、サトウ@mukashime)です。

そろそろ毎日投稿に息切れしてきました。でも書かないとまた放置ブログになりそうなのでもうしばらくエンジン駆けてがんばります。

今回は事件ノンフィクション。

「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」です。

飛び込むのだ。現場へ。

5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか?
なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか?
執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。

「Book」データベースより


未解決事件を追うことになった、著者、清水潔さんは未だ犯人の見つかっていない「横山ゆかりちゃん誘拐事件」を調べることに決めます。

「横山ゆかりちゃん誘拐事件」とは96年7月に起きた4歳の幼女誘拐事件で、彼女がパチンコ店で不審な人物と外へ出る映像を残し、行方は今も知れない。

清水さんがその事件に注目して、さらに調べを進めると、年月に開きはあるものの、隣接した範囲で他にも4歳ほどの女の子が誘拐、殺害されている事件が4件も起きていることに気が付く。

そこから清水さんはひとつの推論を立てました。

「これは同一犯による、連続幼女殺害事件なのでは?」

しかしその推測にはあらゆる障害が立ちふさがります。

最も大きいのは、5件のうちの1件「足利事件」の犯人がすでに捕まっている事実でした。

菅谷利和さん

菅谷さんは当時、足利事件の犯人とされ、今は完全に冤罪であったことが証明されてします。

逮捕の決め手は、菅谷さんの自白とDNA型判定の一致でした。

ところが清水さんが調査を進めるにつれ、菅谷さんの自白は、警察による強烈な取り調べによってほとんど強引に仕立てられたものであり、DNA型判定は、最新技術で再鑑定した結果、全く一致しないことがわかったのです。

DNA型判定というと、私もCSIなんかのドラマを見ているので、一致=完全クロの印象が強かったのですが、本書によると、今から30年近く前の日本で行われたDNA型判定は結果が100%正解ではないどころか、現代の技術に比べれば、ぞっとするほど精度の低い代物だったそう。

そのうえ、その疑惑のDNA型判定で、実際に死刑になった人もいるという事実に頭がくらくらします。


この事件ノンフィクションが、ほかのものに比べてひときわ印象強く、そして心に残るのは、菅谷さんの冤罪を晴らした上で、「真犯人」と思しき人物にまで、作者の潔さんが目星をつけている点でしょう。

作中で「ルパン」の通称で呼ばれるその男(見た目の印象がルパン三世に似ているかららしい)について、ジャーナリストの潔さんはいろいろと調べ上げ、警察にも情報提供をしています。

しかしいまだに、「ルパン」に、捜査の手は伸びていません。

なぜなのか?

その答えが、本書にはすべて記してあります。

ドラマや映画、ましてや今のメディアでは見られない真実に近づける、お勧めの一冊です。

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この記事を書いた人

フィンランドに住みたい研究者かつフリーのWebデザイナーかつコーダー。
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