善き者の行いの先に「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」

こんにちは、サトウ@mukashime)です。

どうも最近、Twitter上で好きな映画やコミックで考えさせられることが多くて微妙に胃が痛い日々が続いていました。


なんとなくおかゆみたいに胃に優しい映画がみたい…そんな時、ついにネトフリックスで配信開始したので、前々から見たかった「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を観ました。


以下ネタバレしてます。

NY郊外の館で、巨大な出版社の創設者ハーラン・スロンビーが85歳の誕生日パーティーの翌朝、遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者。調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく―。

Amazonより


我らがキャプテンアメリカの俳優クリス・エヴァンス が「クソ食らえ」を連発するわヒロインであるアナ・デ・アルマスが散々ゲロを吐くわ007のジェームズボンド役のダニエル・クレイグが珍しく脱がないわ…

悪エヴァ


良いおかゆムービーでした。(個人の見解です)


私はあんまり推理ものやどんでん返しものは見ないタイプです。30分くらいで真相が気になって映画に集中できなくなり、ネタバレをググりだす悪癖持ちなので。

でも今回のこの映画は、最後までググらず観てしまいました。


実際、この映画も謎解きとどんでん返しが肝になっています。


ところがそのスパンがめっちゃ短いんです。


物語は「大富豪の自殺」から始まります。

多大な財産を有する大富豪ハーランの突然死は、当然の流れで他殺が疑われます。

自殺を装って誰かが殺したのでは…犯人は誰なのか…?


私はもうこの辺で犯人をググりたくなるクズです。

ありがとうございます!


ところが意外にもこの映画では早い段階で犯人(仮)は分かります。

ハーランの死の原因となったのは看護師マルタです。

マルタとハーランは雇用関係を超えた、年の離れた親友でした。

問題の日の夜、マルタはハーランに、いつもの薬と間違ってモルヒネを致死量投与してしまいます。

10分もすればハーランは死んでしまう。

救急車を呼んでも郊外の豪邸に到着するまで15分はかかる。

マルタは持ち歩いているはずの中和剤を探しますが、その日のカバンには入っていませんでした。


このまま自分が死ねば、大切なマルタは殺人者になってしまう。
作家業で富を築いたハーランは、その持ち前のアイディア力で、彼女を殺人者にしない方法を思いつきます。


それは彼女に様々なアリバイを作らせた上で、自分は薬で死ぬ前にナイフで首を切って自殺するという方法でした。


この真相が、割と映画の序盤でさっさと明かされます。


しかし一つの謎が解明すると新たな謎が生まれ、また割とあっさり明かされ、また謎が…というマトリョーシカのようなテンポなのでググってる暇がありません。


ミステリーファンには物足りないところもあるかもしれませんが、私みたいなタイプにはありがたい作りでした。


あと、最初に見たときはご都合主義すぎんか?って思った部分にもちゃんと最後には理由がつけられたのが気持ちよかったですね。

例えば


・モルヒネを致死量打たれて5分も過ぎれば意識が混濁するはずなのにハーランいつまでもピンピンしとるやん。アリバイ工作をちゃんと説明させるためか?都合よくないか?

→薬の中身は事前にある人物の手ですり替えられていた。モルヒネの中身こそ正しい薬であり、マルタが打ったのはそれだったので、ハーランはピンピンしてた(その時にそれに気づいていればハーランは首を切って死ぬ必要はなかったというのが悲しい)


・善良で優秀な看護師がうっかり薬を打ち間違えるとかシナリオ的にどうなの?

→結論として、マルタは日々の仕事で覚えていた薬の微かな粘着性などの違いなどから、正しい薬を選んで打っていた。マルタが優秀な看護師だったために、真犯人の思惑が大きく外れて話が入り組んで行った。


・危険な薬品使うのに中和剤持ってないのおかしくない?

→薬を取り替えたやつが持ってってました


・名探偵と名高い人(ダニエルクレイグ)が参入してるけど、マルタの靴についてるハーランの血痕に気づかないのダメすぎませんか?

→気づいてました

とかですね。あとなんかあった気もするけど忘れました。もう一回見ます。


ポップコーンムービー的なところもあれば、アメリカの富裕層家族とアメリカに移民してきた家族の対比だとか、今とても重要視されている部分も、あまり押し付けずにさらりと含んでいるのでいろいろと考えさせられます。

「与えてあげる」ポジションと「与えられる」ポジションが逆になったときの人の変容ぶりが滑稽ですが妙にリアリティがあります。


気軽に見れて、最後は痛快。良い行いをする人こそが報われる、心に優しい映画です。興味のある方はネトフリにあるうちにぜひ!


見ようか迷っている人。妙にエロティックな悪クリエヴァがセクシーにゲロ浴びるので、せめてそこまで見て欲しいですね(まどマギ的な罠)


ゲロ吐く描写の映画は名作ってのは一部界隈では常識。

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この記事を書いた人

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